愚痴の果て

私たちは、自民党が政権与党にあった時、その傲慢さと無能さに、ずっと愚痴をこぼしていました。そう、それは批判ではなく、愚痴でした。

その愚痴を言い合う相手が、民主党でした。有権者は、自民党への愚痴を並べることでガス抜きをし、民主党議員は、同様の行為によって有権者の共感を得ました。それは、悲しい共犯関係でした。

小泉純一郎首相(当時)が何かの委員会で、「文句があるなら対案を出せ、対案を」と小馬鹿にした笑みを浮かべていた時、その相手が目の前に立つ野党議員ではなく、私たち有権者であったことが、今にしてわかります。

愚痴は、何ものも生み出しません。民主党政権が無能を曝け出して迷走しているのも、その政権奪取の出発点が愚痴であったことを鑑みれば、当然の帰結です。

そして、今。私たちは民主党に対する愚痴を並べ始めました。