『デフレの正体』

『デフレの正体―経済は「人口の波」で動く』(藻谷浩介著・角川oneテーマ21)を読みました。

人口ボーナス/人口オーナス/生産年齢人口/付加価値額

これらの言葉に“ピンとこない方”に読んで欲しい本です。目から鱗。読む前と後で、世界(社会)の見え方が違います。証拠は私です。

読んでいる最中、自分がブログで訳知り顔にあれこれ書いてきたことが恥ずかしくなりました。私は何も知りませんでした。正確には、知らないことを知りませんでした。

○○率の上下に一喜一憂するのではなく、その絶対数を基に考えなければ正しい姿は見えないという指摘は、コロンブスの卵。言われてみれば、気づいてみれば、世に溢れる報道と発想のナンセンスさが良くわかります。

小幡績、神谷秀樹、浜矩子。そして、藻谷浩介。私が、ここ数年で読んだ、経済に関する新書の著者です。この人たちには共通点が二つあります。一つは、現状の批判だけでなく、自分なりの提言を行っていること。一つは、その提言に(言葉や言い回しは違っても)“日本というブランド”の確立を挙げていること。

著者の講演を基にした本で、「です・ます調」の話し言葉で書かれています。読みやすく、決して難解な内容ではありません。ぜひ手に取ってほしい一冊です。

以下、蛇足ながら。

以前、団塊の世代について批判しました。

http://d.hatena.ne.jp/ocelot2009/20100822/1282455879

この堺屋太一の態度が、如何に現実認識に欠けた傲慢なものか。私が書いたものは、私の力不足で感情論に留まりましたが、この本は、それを具体的な数字で筋道立てて論じてくれました。

デフレの正体  経済は「人口の波」で動く (角川oneテーマ21)

デフレの正体 経済は「人口の波」で動く (角川oneテーマ21)