永続敗戦

衣食足りて礼節を知る。本当でしょうか。

諸々の条件が重なって経済が急激に成長している間は、不都合なことがあっても、そのマイナスをさら大きなプラスが覆い隠してくれます。

今日より明日が良い日になるなら、今年より来年の方が豊かになれるなら、大概のことは許せます。その不本意を飲み込んで、なおお釣りが来るのですから。

「衣食が足りる」という条件を満たして「礼節を知る」という結果が現れるなら、その条件が消滅したとき、その結果が出ないのは理の当然でしょう。

この国は今そういう状態にあるのだということを論じた本です。

ですが、わたしは失望も絶望もしません。死ぬとき、笑って頷いてみせるつもりです。