反骨の夏

さて、つまらない記事が続きましたので、それに対するカウンターの意味も込めて、各出版社の夏の文庫フェアの顰に倣い、個人的夏の読書のご案内を。

今回は、あえて小説を取り上げず、ノンフィクションでいきます。

辺見庸の『屈せざる者たち』は対談集です。登場するのは、一癖も二癖もある硬骨漢ばかり。その言葉は、頭ではなく肉体から発せられるかのようです。

屈せざる者たち (角川文庫)

屈せざる者たち (角川文庫)

船戸与一の対談集は『諸士乱想』。諸氏ではなく、諸士。絶版らしく新刊書店では手に入りませんが、ネットを含む古書店で探すだけの価値があります。先日、ある方から船戸はホストとして気配りの人という指摘をいただき、わたしも再読しなければと思っています。

諸士乱想―トーク・セッション18 (徳間文庫)

諸士乱想―トーク・セッション18 (徳間文庫)

半藤一利の『あの戦争と日本人』は、先の戦争で亡くなった人たちの遺骨の収集すら滞っている状況でご先祖様が帰ってくるお盆に読みたい一冊です。

ヒトラー演説』(高田博行著)は、ヒトラーの演説の内容や技術的な側面を論じたもので、その変化を追うことで民主主義がファシズムを生む土壌になってしまった悲劇を知ることになります。

ヒトラー演説 - 熱狂の真実 (中公新書)

ヒトラー演説 - 熱狂の真実 (中公新書)

辺見じゅんの『収容所(ラーゲリ)から来た遺書』は、シベリア抑留の話です。自分、親、祖父母、曾祖父母と遡ってみてください。たった数十年前、その祖父母や曾祖父母の身に起きた、戦争の結果です。

収容所(ラーゲリ)から来た遺書 (文春文庫)

収容所(ラーゲリ)から来た遺書 (文春文庫)